ねぇ、僕たち やっとひとつになれたのかな。
神様、そうだよね?
















僕のモノでいてよ。


〜Act5、君は僕の悲しき玩具〜














君が欲しくて、欲しくて、堪らなくて。


今思うと、・・僕はどこか、壊れていたのかな?



それとも






君を





愛し過ぎてしまったのかなーーーーーーー?













ーーーーーーコンコン・・!







少し荒っぽく、僕は戸を叩いた。

ハァハァ、と息を切らしたまま 玄関口に僕は佇むと 
戸が開くのをただひたすら待っていた。
全速力で走ったせいで膝が少し笑っている。
そんな自分の身体に苦笑しながら 
闇に紛れて僕は気配を消していた。

やがて、静かに戸が開けられる。


その瞬間、僕の目の前に姿を現した一騎に、息を呑んだ。






「そう、し・・・・・・」




弱々しく発せられた震える声には、どこか甘さが含まれていた。
下半身には何も装着しておらず、太股が艶かしく露になっている。
服は心なしか乱れ、肌は赤みを帯びていた。

頬は薄桃色に上気し、瞳は潤んで儚く揺れている。
額には薄っすらと汗をかき、柔らかな黒髪が少し張り付いていた。
唇は、赤く艶やかに光り、まるで僕を誘っているようだ。



「か、・・・・・・一騎」




僕は、こんなに艶麗な幼馴染に、かつて会った事はなかった。
月の光のような色を瞳の奥に宿し、切なそうに顔を歪めて
僕をじっと見つめている。


僕はその熱い眼差しひとつに、惑わされ、どうしようもなく
かき乱されてしまったのだった。


ドクン、と僕の心臓が大きく脈打つ。
鼓動が走った後より速くなっていくのが自分でもわかった。


動揺こそしてはいなかったが、
自分の顔が、かぁぁっ、と熱くなるのがわかった。
それは 見えない欲望が、また僕の中に渦巻き始める合図となった。




「どうしたんだ・・おまえ、その、格好・・・?」




僕は直視しながら、そう一騎に訊ねてみる。
すると一騎は、恥ずかしそうに 口を開いた。



「総士に・・・この前教えてもらったこと、・・・・して、た。」




一騎はもじもじしながら、手で下半身を隠して
僕に見つからないようにソコを隠していた。


僕はその一騎の仕草に、胸の中で燻る情熱の炎を
激しく刺激された感覚に陥った。



「教えたって・・・もしかして、−−−自分で・・触ってたのか・・?」



純真無垢な一騎に、一週間前僕が手解きしたその行為。
まだ幼い一騎には、少し早すぎるとは思いながらも、欲望を制御できずに
僕は その行為に及んだ。さすがに、その先まではしなかったにしろ
自分勝手な親切だと 最近では後悔さえしていたのだ。


僕が少し拍子抜けした顔をしていると、一騎は先程より顔を赤らめて
俯き加減に、こくん、と深く頷いた。



「総士を思い出してたら・・なんか、身体が熱くなっちゃって・・・
それでーーー・・教えてもらったとおり、に・・・したん、だけ、ど・・・」



一騎はキュッ、と上着の胸の辺りを片手で掴んで
恥ずかしさを必死に耐え忍んでいた。


次第に肩が微かに震え始める。


「総士みたいに、上手く・・できな、くてーー・・・それでっ・・」


苦痛に歪んだ表情が 僕の心を捉えて離さない。
大きな栗色の瞳からは、大粒の涙が地面に零れ落ちた。
何処までも透明で、澄んだ色を・・していた。



「・・・・それで僕に電話したのか?」



僕は出来るだけ優しく、一騎に囁いた。
手を伸ばして、一騎の俯いた顔をあげてやると、
その朱色に染まった頬へと左手を添えてやる。
一騎が、落ち着くようにと。


不思議だ。ついこの間までは、こんな気持ちに
なれなかったというのに。

今はこんなにも穏やかで、
真っ直ぐと君を見つめる事ができる。

僕の中は今、君でどうしようもなく満たされている。


きっとそれは、一騎の本心を聞くことが出来たから。
一騎が僕を、・・・好きだと言ってくれたからなんだな。



僕は、静かに家の中に足を踏み入れると、
左手はそのままに、右手で戸を閉めて鍵を掛けた。


一騎はただ黙って、僕の行動を見つめていた。
瞳からはまだ、真珠の涙が溢れている。




「上手く出来なくて・・・怖かった?」



僕が再び問いかけると、一騎は声もなく、頷いた。



「・・・・ひとりで触ってて、不安だった?」



再び訊くと、また頷いた。







「・・・・・・・・・僕に会えなくて、−−−寂しかった?」




今度は少し質問を変えてみた。
すると一騎は、瞳を大きく見開いて、次の瞬間には
顔をくしゃっ、と歪めて僕に言った。






「・・・・・っ、さみしかった・・・・」




その声は消え入りそうだった。
あまりにもか細く、頼りなげに空気中へと響いた。

一騎はまた、俯いてしまった。
僕は君の、言葉を合図に 震える肩を優しく抱きしめた。



栗色の大きな瞳が僕の仕掛けた接触に
驚いて、下から僕を覗き込んでくる。




その眼差しを合図に、
僕は君の微かに震える唇へと



僕の心を押し当てた。





薄明かりに照らされた玄関附近。




僕と君の心は、浮かび上がる影のように
優しく揺れて 重なった。



僕たちは確かに今この瞬間




互いの心を通い合わせたんだ。







+++









「ほら、一騎・・僕に見せてご覧?」




二階に上がった僕と一騎は、一騎の部屋までやってきた。
室内に入ると、きちんと整頓されている本棚や机、きっちりと掛けられている
洋服の数々が僕の目に入ってきた。
シンプルですっきりとした部屋の内装は、はっきりいえば、僕好みだった。
趣味の傾向は一騎と似ているのかもしれない、ふとそんなことを思った。

恥ずかしそうに僕を横目でチラチラと気にする一騎を
床に敷かれた布団の上に座らせると、僕は薄っすらと笑いながら、そんな事を言った。
一騎の四肢がピクリ、と僕の言葉に反応を示す。

僕はその様子に微笑しながら、ゆっくりと一騎の股を開かせる。
一騎は闇に紛れるかのような声で、”ぁっ・・・”と小さく呟いた。

暗い室内の中でも、しっかりとわかる一騎のソコ。
幼いながらも、パンパンに膨れ上がり、先端からは蜜が零れ落ちていた。
ソコをまじまじと見て取った僕は、ゴクリと喉をひとつ鳴らすと、視線を一騎の瞳へ向けた。

一騎は、頼りなげに瞳を揺らして、大きな栗色を艶かしく輝かせていた。
僕と視線が合うと、その可愛らしい頬を夕焼け色に染め上げて、またもじもじとし始める。
そんな一騎の様子に 僕の胸は高鳴った。僕の事を想いながら、ソコを触っていた一騎。

その事実を想像するだけでも眩暈がするのに、今この場に居る一騎は
こんなにも僕を求め、僕の与える快感を心待ちにしている。そう思うと・・
それだけで僕は絶頂に達してしまいそうで、困る。



「・・・・一騎、僕にどうして欲しい?」


僕はそう言って、一騎の反応を待つことにした。
この前のような無理強いを避けようとしたからだ。

今度こそ、ちゃんと一騎と向き合うべきだと思った。
この一週間、心の整理をして 僕なりに出した答えはそれだった。

”一騎の気持ちをありのままに受け止める”


もう、一人で突っ走らない。強引に事を進めたところで
虚しいだけだと、わかったからーーー。



果たして、僕の言葉をきちんと理解したのだろうか。
一騎は、少し黙って掌にきゅっ、と力を込めていた。
そして、意を決したように 暗闇の中、僕を真っ直ぐに見つめて呟いた。





「・・お、れ・・・総士のモノになりたい・・・」









「ーーーーーーーーえっ・・」





今度は僕が黙る番だった。







「他の、人じゃ嫌なんだ・・・。総士がいいーーー」





「一、騎・・・?」





あまりにも唐突な発言に、動揺する僕を気にすることなく
君は、うっとりするような栗色を闇夜に輝かせて、僕に甘く囁いた。










「総士・・・どうすれば おれ、ーー総士のモノになれるの・・・?」














こんなに







誰かを好きになるなんて









思わなかった・・・・・






「一、騎・・・ーーーー」







あんなに傷つけたのに

君は  ・・・・僕のモノになることを、選んでくれたの?








「総士のモノに、・・・なりたいんだ」











僕は馬鹿だ。















君はこんなにも僕を受け入れようとしてくれていたのに、
僕は自分の気持ちばかり優先して


大切な君をいつも置き去りにしていた。



見失っていたんだーーーーーーーーーー。








ほんとに・・・・僕は、馬鹿だ。








「ーーー・・・繋がれば、なれるよ」





僕は 健気で憂いを帯びた一騎へと そう答えた。
一騎は 僕の言葉を聴いて、微かな反応を身体で示した。
小さな唇が 震えそうなほど儚く 柔らかな声音を僕に伝えて言葉を零した。








「じゃ、あ・・・・・・・・・・おれ、総士と・・・繋がる・・・」







一騎は視線を彷徨わせながらも、最後は上目遣いに僕を
覗いて そう言った。ーー上気していく紅い頬。
彼が、羞恥心に苛まれながらも今の言葉を僕にくれたということがよく解かる。
僕は目の前の可愛く佇む幼馴染を優しく見つめてやると、その僕より小さな身体を
ゆっくりと布団に押し倒し、彼の上に乗り上げたのだった。






「一騎・・・お前は僕のモノだ・・・。そうだな?」




まだ繋がってはいないけれど、一騎の気持ちを確かめたくて
僕は 強く切望するように そう口にした。

僕に見下ろされた一騎は、扇情的な顔を僕に向けながら、
迷いはもう無いとでもいうかのように、はっきりと深く頷いて、短く応えた。








「うん。・・・おれは総士のモノだよ」














一騎 出会えてよかった。











ーーーーーーーーー僕はもう、淋しくないよ。

君が傍に居るから。もう、大丈夫。











「幸せだ・・・・・」











僕の願いは、ついにこの時
 叶えられたんだ。






+++












 







「っ、・・・ぁっーー・・」


「もう少し、腰を高くあげてごらん?」


僕の言葉に一騎は、悩ましげな顔を見せながらも、
可愛らしくコクリ、と頷くと そのくびれた腰を高く宙に持ち上げて
僕の上に跨った。 一騎の微かに震えた四肢が、たまらなく僕の心をかき乱す。

僕は優しく一騎の腰を両手で掴むと、ゆっくりと 
既に昂りながら起立した僕自身に宛がった。

ーークチュクチュ、と卑猥な水音が部屋の内部に静かに響き渡る。

「っ、あァ、ん・・・・!!」


幼い一騎の中心からは見る見るうちに愛液が溢れ出し、後ろの刺激を全身で
感じるように 肩を小刻みに震えさせながら 僕の与える刺激に必死で耐えていた。

一騎の秘部は、未知の扉を開くためにその身を犠牲に 僕自身を深くまで迎えようと
生きているかのように 凄い勢いで呑み込んで行く。
自分の腿の上に一騎を乗せている為、その様は視界から捉えられないまでも、
感覚的にわかる。一騎の秘部が蠢き、僕を丸呑みしようとするその姿がーーー。

幼いのはすでに身体ではなく、 互いがまだ成長過程の中盤に乗り切れて居ない若さだと
感じる頭なのだ、ということが今ーーよくわかった。


だって、一騎の身体は こんなにも扇情的で・・艶かしい。


年齢なんて関係ない。まだ社会的に若いからって それが何だって言うんだ?
こんなにも妖麗な姿を装った人を僕は嘗て見たことがない。
ましてや、この先 そんな人が現れるとも 到底思えない。


僕は、目の前で可愛く喘ぐ一騎の姿に 衝撃と感動を覚えながら、
いつの間にか 夢中になっていった。


その存在が、魅力が 僕をいつも惑わせる。
もしかしたら、一騎の仕掛けた 甘い罠かもしれない。




・・それでも、こんな罠ならかかって構わない。

そんなことを考える僕は

幼い無邪気さを持ち合わせているだけなのか、ただ一騎に恋焦がれる愚か者なのか
自分でも 判断がつかない。



それほど僕は 一騎が








・・・・こんなにも、恋しい。








「ひゃぁ、ッン・・!!い、たっ・・・・・」





秘部に宛がう際、充分一騎から零れる愛液で慣らしたそこ。
しかし未知のものを受け入れるには 慣らすだけではきつかったのかもしれない。
僕の中心は これ以上ないほどにパンパンに膨れ上がり、固まりながら起立していた。
それをすべて奥まで小さなそこが受け入れようというのだ。
無理が生じるに決まっている。



「一騎・・・・大丈夫か?痛いのなら無理に僕を受け入れなくてもーー」


そこまで言いかけた そのとき。
強引に 羽のように柔らかい唇に 言葉を遮られた。



「−−っ・・!!!」



幼い、キスだった。すべてがもどかしくて・・・・興奮した。
押し当てたはいいものの どうすればいいかわからず、口内では舌が
行き場を失っているかのように彷徨っていた。

僕は自分からキスをしてくれた一騎の気持ちが嬉しくて、
彷徨う一騎の舌を 優しく導いてやる事にした。


「っ、・・ふぁ、ッ・・・ん・・・・・」


荒々しく一騎の舌を絡めとり、思い切り強く吸い込んだ。
すると 鼻に掛かるような色艶ある一騎の声が 深く空中に広がった。




ーーーーーーどく、んっ・・



僕の血脈が 大きく高鳴るかのように振動し始める。



「・・・・ぁ、ッ・・ふ、・・・ンッ・・!」



悩ましい一騎の栗色の瞳が一筋の温かい涙を流して
僕の心をさらにかき乱す。
その美しさに負けて、僕は 赤く染まる一騎の頬に口づけをずらした。
零れた涙を吸い取るためにーー。

血脈は、活発に動き、心臓の鼓動と同調するかのように その音を合わせていった。
勢いよく、鳴り響く 僕の音。まるで ”はやく、はやく”とでも急かされているかのような
錯覚に陥った。僕の中の鼓動は次第に、言語を発するまでに至ったようだ。


「一騎・・・・・」



チュ、と涙を吸い上げて 軽いキスを頬に贈れば、一騎の甘い声が
空気の中に 一瞬溶けた。


「っ、ぁっ・・・・・」


たまらなく、可愛いその声に誘われて 僕の中心が反応をみせた。
熱が、先程より篭っている。


早く解放したい。そんな気分だった。



「一騎・・・・・まだ、・・・・痛い?」



とりあえず一騎のそこは僕を最後まで受け入れてくれた。
根元まで呑み込んでくれたのだ。
だが、呑み込むまでが精一杯といった感じだった。

一騎の内壁が 頻繁に震えている。端の方が少し切れて、出血しているようだ。
一騎の中心から零れる愛液と後ろから流れ落ちているその血が 見事に混ざって
僕の腿の辺りに零れ落ちてくる。
心配になって 僕が声を掛けてみれば、ぼーっとした表情で僕を見下ろした一騎が
微かに笑いながら言った。


「痛い、けど・・・・・痛くないっ・・・・・」


僕の上に乗り上げている一騎を見上げながら、僕は一瞬何を言われたのか
理解できずに 訝しげな表情を向けた。


「一騎・・・・?」



「ホントは・・痛い、けどーー総士の左目に比べれば、
               ・・・ずっとずっと・・・痛く、ない・・よ?」



瞳を微かに濡らしながら 僕の頬を両手で覆った一騎は
小さく・・・小さく微笑んだ。




ーーーー愛しくて、たまらなかった。




「一騎・・・・今、気持ちよくしてやるからーー」



僕はそういうと、頬にあった一騎の両手を解き、僕の首に絡ませた。
そして、すぐさま 僕は一騎の腰に再び手を置くと 思い切り掴んで
勢いよく持ち上げた。


「ひゃっ・・・・!!?」


驚いた一騎の声が挙がる。


僕は根元まで自身を引き抜くと、今度は矢を射るより早く
一騎の身体を下まで引き下ろした。

そのスピードと振動で尋常ではないほどの威力が加わり、
下で待ち構えていた僕の中心は 一騎の秘部を貫いた。


 

「はぁぁ、−−あ・・っんッ!!!」




一際甲高い声が 宙に彷徨う。


小鳥のさえずりよりも美しく、女性の歌声よりも高い その声。
僕の中では 音楽のように木霊した。



「ひゃ、あッ・・・あ、あぁっ・・・!!」



ギシギシッ、と床を激しく軋ませながら
夢中で一騎の啼く声に耳を傾ける僕。




「そう、しぃっ・・・あっ、ーーあぁ、っ・・・ぁンっ・・・」





上下の律動を徐々に速めながら、より深く、より強力に貫けるようにと
その細い腰を荒々しくも淫らに、持ち上げつつ 振動させた。


「やっ、・・ぁあっ、・・んッ、・・・あぁっ、・・・ッ!!」



その度に、漏れる熱っぽい一騎の声。
まるで絵空事のようだった。



「は、ァッ・・・・ん・・・あ、・・・・あぁーーーっ!!」



激しくしていけば、いくほどに 一騎もその甘い刺激に酔いしれていく。
夢中になっていく。・・快感の波に、呑み込まれていく。




「ンっ・・・、だめっ、・・・・そう、しッ・・・・!あぁ、ぁーーー・・・」



歓喜、に近かった。








「や、ッ・・・も、・・・ダ、メぇ、っ・・・・・−−は、ぁッ・・!!」




存在理由や自己意識などに 苛まれず、
今の僕らは 自由だった。



「ひゃ、ぁああんっ・・・!そう、しぃっーーーー!!」





自由だった。




「っ・・・・・・一騎!!!!」





限界とばかりに、きつく絡めた腕を合図に僕は
一騎の中心を片手で大きく擦りあげた。


その途端、一騎の内壁が急激に圧縮して
中に居た僕を 強引に締め付けた。



瞬間、一騎の中心が 解放されたとばかりに、
その愛液を 僕の腹部目掛けて 一気に放出したのだった。



「あぁ、ァッ・・総士ぃぃっーーーー!!」



善がる一騎の甲高い声が僕の耳元に震えるほど届いた。




「っく・・・・・・!!!一騎っーーーー!!!」



自己解放のため、急激な締め付けにあった僕自身は その苦しさから、
ついに熱い愛蜜を一騎の内部に解放した。

ドクドク、と湧き出るような量が 一騎の中に散乱し、
欲望で彼を満たした。



一騎の秘部から流れる僕の愛蜜。
その中に混じって、一騎の愛液と内部の切れた血が一つに重なっていった。



ぐったりとした一騎は、僕の胸に倒れ掛かると
安心しきったように 意識を即座に手離した。


僕もまた、一騎の確かな熱を感じ取りながら その身体を受け止めると
きつく、・・・軋むほど強く その幼い寝顔の持ち主を抱きしめた。











ねぇ、僕たち やっとひとつになれたのかな。
神様、そうだよね?









前より君を近くに感じるよ。
嘘じゃない、本当なんだ。









ねぇ、一騎。僕たちは今、ひとつだよ。
嬉しい・・・・僕は今 凄く、嬉しいんだ。













 
よかった。

出会えて、・・・本当に良かった。
                       










何度も、何度でも言うよ。


ーーーーーーーーー僕はもう、淋しくないよ。

君が傍に居るから。もう、大丈夫。











一騎。
お前もそうだろう?












僕たちは今、ひとつになった。








君は僕のモノで






僕は今、君のモノだ。








+++











光が、温かな光が 闇を瞬く間に覆っていく。




いつの間にか、朝が来たようだった。



その眩い光に包まれた僕らは ふと、自然にどちらとも無く目を覚ました。
気が付けば、柔らかい布団に包まりながら二人、寄り添い合って眠っていた。

明確になっていく意識と混濁とした視界が交互に呼び覚まされ、
目の前に居る小さな幼馴染の姿を 優しく捉えた。



「・・・・おはよう」



少し擦れた声で、僕が言葉を届ければ
一騎は 途端に 淡く微笑んだ。


「おはよ・・・総士」



澄んだ声音に、身震いを起こしそうになった。
それほど君の声はーーー綺麗だった。




「一騎、寒くないか?もっとこっちにおいで」




僕が華奢な身体にそっと触れると、一騎は嬉しそうに
僕の胸の中へと飛び込みながら ずっと微笑んでいた。



「・・・総士、あったかい・・・」



艶めいた黒髪が 僕の頬に当たった。
一騎の甘いシャンプーの匂いが鼻を掠め、僕を軽く動揺させる。



・・御互いの気持ちも身体も繋がるということが

こんなにも幸福でくすぐったいものだとは、知らなかった。







今まで生きてきて、こんなにも満たされたことは、きっとない。







「ね?総士。おれ、ご飯作るから・・食べてってよ?」



軽快な君の甘い声が僕の胸元から、篭るように聴こえた。
僕はなんだか可笑しくなって、キュッ、と君を強く抱きしめると
短くひとこと呟いた。





「あぁ、そうするよ。」














・・僕は幸せだった。





独りでは、なかった。








君を傷つけて、傍にいることを願って。
拒まれて、左目の傷を否定されて。



欲しくて 欲しくて、それでも欲しくて・・たまらなかった人。



自分のモノでいて欲しかった人。
また、彼も・・そう願ってくれた人。





欲望は、果てしの無い連鎖。
愛は、留まる事をしらない螺旋。





神様。人は罪深い生き物なんだね?








感情というものを持ってしまった そのときから

僕らはきっと 罪を背負う生き方しかできない。





けれど、





些細な幸せを 小さな光を この胸に宿す事が出来たなら




人は 何にでも変わって行ける。
僕はそう信じている。






罪を消す事はできない。



だけど、罪と共に生きていく事はできるから。








人は言葉を神様から授かった。
きっと それにも意味があると、僕は思うよ。


言葉の中に、罪と生きる方法が隠されている気がするよ。


だってそうじゃなきゃ、おかしいよ。






罪を背負った僕が こんなにも・・幸せなんて。



だから、きっと



答えは言葉の中に在る。






「一騎、・・・・・・お前はずっと、僕のモノだ」







応えは きっと











「うん。おれはずっと、・・・・総士だけのモノだよ」






















君の中に在る。



















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たは〜っ!!!御疲れ様でした。青井です、こんにちは。
ここまで読んでくださった方にお礼申し上げます。なんか無駄に長くてすみません(汗)

夢小説これで完結です。思えば、いつ見た夢かさえ忘れてしまった今日この頃です(爆)
でも終わり方はこんな感じ・・かな?(笑)多分そう。
また良い夢見たら、ネタに使いたいものです。
それでは、この辺で失礼致します!

長い間、御付き合いいただき、誠にありがとうございましたvvではでは〜。

2006.2.7.青井聖梨