この儚さは、一体何処から来るのだろうーー・・
月明かりの下、君を想う。
「生きてよ、・・僕のために」
月明かりに照らされて、君がそっと呟いた。
俺は、君のためなら死ねるのに。
君は、”僕のために死んで”とは、決して言わなかった。
それが俺には悲しかった。
君は、泣けなくなっていた。
俺は、抱えきれなくなっていた。
・・この想いを。
「キラ」
「・・うん?」
「お前は、・・どうだ?」
「ーーえっ・・?」
俺のために君は
「俺のために・・生きてくれるか?」
ーーーーー何が出来る?
「・・うん。いいよ。アスランのために、僕は生きる」
あぁ、どうして。
どうして君は、こんなにも・・
「嘘だな。」
「えっ・・、嘘じゃないよ?」
「いいや、嘘だ。」
「ーーなんでそんなこと言うの?」
「だってお前・・」
こんなにも
「今にも消えそうじゃないか」
儚い。
月明かりに照らされて、俺の最愛の人は
その瞬間、燃え逝く星より悲しく、
消え逝く命よりも儚く微笑んだ。
俺の胸は、切なさで ・・潰れそうになった。
神様という存在が天にいるのなら、願ってもいいですか?
どうか、俺の愛しい人を消さないで。
どうか俺の命よりも大事な人を消さないで。
何度も何度も、繰り返し願うよ。
どうか、君が心から微笑む事が出来る場所が未来にありますように。
どうか 君がこの世界に囚われることなく、自由を掴みますように。
・・君が幸せになりますように。
たとえ その世界に俺がいなかったとしても。
どうか、どうか。
願いだけは届けばいい。
月明かりに照らされて、儚く揺れる紫玉の瞳。
消えそうだと呟いた、俺の言葉とは裏腹に
本当に消えそうなのは、俺だった。
俺だったんだよ・・キラ。
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