せめて僕は この闇の中で
君が輝ける場所を守りたい



























Dear、ファントム〜第五章『闇に沈む恋情』〜























僕は、君から幸せを奪った男だ。
いや、正確には”君達から”−−−というべきだろう。

幸せになれるはずだった二人。
そう、僕は知っていたんだ。

一際綺麗な金色を眩いばかりに瞬かせて、空に浮かんでいた半月の晩。
鉄格子付近にある壁の隙間にあの人は声を潜めて語りかけていた。
地面から数センチしかない、その光が通り抜ける場所。

秘め事を交わすように聴こえる声たち。
既に眠っていた僕の目を醒まさせたのは、紛れもない彼の声がそうさせた。

この頃から・・いや、初めて彼と出逢い、その温もりに触れた瞬間から
想いは次第に募って、甘美な讃歌を湛える音となり、
僕の身体中を駆け抜けていた。止め処なく溢れる想いは、天に昇る光の柱に
いつか形を変えるのではないかと空想に胸を膨らませた。
それほど強大な切なる願いが、希望が僕の空想を掻き立てたのだった。



僕はもう、彼しか見えなかった。
彩華を放つ彼の姿を瞳に映すだけで、胸の奥が焼けるように熱を孕んだ。
僕の想いは、知らぬ間に 自分でどうすることも出来ないほど巨大になっていたのだ。

けれど、君は違っていた。
君はーーーー別の誰かを、そう・・・あの人を
その大きな栗色の双眸に映していたんだ。








「父さんがやっとおれの言うこと信じてくれたんだ!
だから、もうすぐでここから出られるかもしれないよ?」



「そうか・・・・」




「もうちょっとだから!!もうちょっとだけ、頑張って?
きっとおれの父さんが助けてくれるよ・・!父さん、身体がおれより
大きいから、この場所までは来られないんだ。ここに来るには、おれぐらいの
身体じゃないと、途中にある石垣の間を通って、この草むらに出られないし・・・
それにこの場所、”私有地”ってやつで、本当はおれも入っちゃいけないとこで
・・・最初は怒られちゃってーー・・その、・・・」




「うん。ちゃんと解かってるよ。ありがとう・・一騎」




「お・・・おれ、何にも出来なくて・・・・ごめんなさい・・・」





壁越しに交わす二人の会話が耳の奥まで届いてきた。
最初は元気だった声が、次第に沈んでいく様は 少し心に痛みを残す声色だった。
一騎は今、きっと 僅かに落ち込んだ瞳の色をしているのだろうと思った。

僕はそのまま、寝台に横たわり、二人の声に耳を澄ませる。
加わろうとは思わなかった。・・何故か、間に入ることが躊躇われた。




「違うよ一騎。・・・一騎が居てくれたから、僕も総士も助かる可能性が
生まれたんだ。一騎がおじさんを説得してくれなかったら、
僕らはきっと、ずっと今のまま変わらずこの場所で・・絶望を噛み締めるだけだった。
光を見ずに、このままーー暗闇に呑みこまれて、息絶えていたはずなんだ」




あの人は、静かな半月に顔半分を照らされながら、
数センチの隙間から手を伸ばして、一騎の柔らかな黒髪に触れた。

優しく髪を撫でるその仕草は、どこか幼子をあやす様に温かい。
髪を撫でられ、一騎は瞳を揺らしながら、そっと息をついて
嬉しそうにはにかんでいた。その滑らかな頬は、月明りでも
はっきりとわかるほど、赤い。まるで生まれたての花が花開いたように見えた。



そんな彼を遠巻きに、薄く開いた眼で 僕はただ見つめていた。
胸が壊れそうなほど、軋んだ。
どくん、どくん、と心臓が早鐘を打つ。この危機感はいったい何なんだろう?
暗闇に足を絡み取られてしまったように 身体の芯が冷え切っていった。


黒い渦が感情の根本に根付いたようで、怖かった。
お願いだ・・・一騎。そんな顔、僕以外の誰かに・・見せないでくれ。






「おれの父さん・・警察官だから・・・きっと二人を助けてくれるよ!!」




嬉々とした声が静寂な闇に溶けていく。
目の前のあの人は 一騎に薄っすらと微笑むと、
伸ばした腕を再び自分の方へ戻して 唇に人差し指を当てた。



”しーーっ” ーー声をあまり立てないようにと
あの人は一騎に柔らかく注意を促すと、彼が頷く姿を 確認して
一騎の方から伸ばした手のひらに 自分の指を絡めて言った。





「一騎・・・僕らが初めて出逢った日を覚えているかい?」



沈むように暖かな声が壁に反響して、彼の耳へ届けた。




「覚えてるよ!・・おれが、友達とかくれんぼしてるときに
ここに隠れたのが、初めて逢った日、だよね?」



「あぁ、そうだね・・・・。君は小さく丸くなって、この雑木林の草たちに
一生懸命紛れたフリをしていたね・・・」


思い出し笑いでもするように あの人は眩しいくらい瞳を細めて
一騎を一心に見つめ続けていた。ーー光を目の前にしている仕草で。 





「でもどうしてこんなところに隠れようとしたんだい?」


僅かに気の抜けた声で、そうあの人は語りかけると、
一騎は照れたように微笑んだ。



「えへへ、おれ・・演劇が好きなんだ!だから、『演劇の聖地』って
呼ばれてる竜宮ホールに一度でも入ってみたくてさ。・・でも
ここって責任者の人に許可貰わないと入れないだろ?私有地だし・・・・」



「そうだね。・・・・・竜宮ホール自体私有財産だから、それを島に提供している立木家の許可
がなければ入れないし、演劇も上演されないことになってる・・」




「うん、だからおれ・・せっかくホールの外庭まで入れる抜け道見つけたのに
もったいないと思って!!思い切ってかくれんぼを理由に、入っちゃえっ!てさ・・」





「そうか、・・一騎は元気だね?だけど
こんな所に隠れてしまったら、さすがに友達も見つけにくかったんじゃないかい・・?」





「うん・・・。結局おれ、誰にも見つからなかったんだよなぁ・・」



少し拗ねた物言い。けれど、その声は明るい。





「ーーーーーーー・・見つけたさ。・・・・僕が、一騎を見つけたよ?」




ふふ、と虚空に零れるあの人の笑み。
決して僕に与えられる笑みとは違う種類の、その表情。
そんなあの人の顔を見て、胸が詰まった。





あぁ・・・そうか。
そうだったんだね。








貴方も。







貴方も、一騎のことを・・・・・・。








「あはは、そうだね!惇(じゅん)がおれを見つけてくれたんだよね?」





白い指を互いに絡ませながら、二人は穏やかな時間を過ごしている。
まるで僕なんて、ここに存在しないかのように。






「見てて惇!!おれ、いつかきっと この竜宮ホールの舞台に立ってみせるよ!!
正面から入れるように頑張るっっ!!」


「一騎は本当に演劇が好きなんだな・・?」



「うん!!おれ、将来は竜宮学園に入って、演劇部に入部して
このホールで演劇させてもらえるように、立派な役者を目指すよ!!」




「そっか・・。一騎の舞台に立つ姿・・見てみたいな。
きっと素晴らしい役者と脚本と、演出に恵まれながら
最高の芝居を観客に見せてくれるんだろうね・・・・」





二人は、二人だけの幸せを育んでいたんだ。
恋しい者同士の戯れみたいに。






「・・・不思議だな。・・一騎とこうして出逢えて、沢山話しが出来て。
本当なら 僕らは出逢うはずのない運命だったはずなのにー・・。
どうして君は傍にいてくれるんだろう?・・・どうして触れ合う距離に
互いを感じることができるんだろうね・・?」



”まるで奇蹟だ”



声にはならない想いが、あの人の口から零れ落ちた。
そうして、一騎の手を強く握り締めて 言った。





「一騎・・・君は僕の光なんだ。残酷な運命すら塗り替えてくれる、
希望の光なんだよ。もし、君のお父さんが僕らを助けに来てくれる日が来たら、
・・そんな日が本当に来たら・・・・・僕は君に何を返してあげられるかな?
僕らを救ってくれた君に・・・・何をしてあげられる?」



深い、深い想いが部屋の中に充満する。
僕より先に、出逢った二人。一騎を光だと称える、あの人。



入っていけない空気。取り残された、僕の存在は
最早、空気以下の存在だったのかもしれない。


空には綺麗に輝く半月。
半月は少し不気味だ。不吉な感じがする。
真っ二つに割れたその身体が満ちる頃には、僕ら
この場所から外の世界へと羽ばたいているのだろうか?

そんな日が来たとき、自由になったその瞬間ーーー、一騎は、あの人は
一体どうなっていくんだろう・・・・。




僕は一体、どうすればいい?




独りは嫌だ。





独りは・・・怖い。




けれど。





けれど一番怖いのは・・・・・・・・・・・・・
















一騎を誰かに奪われてしまうこと。













やっと見つけた、僕の光。






そう、あの人と同じ光を
僕は求めてしまったんだ。















「いいよ、何にもしなくて。
おれ・・・何もいらない」




不意に、こう答えた一騎が あの人の手を
キュッ、と強く握り締めた。


あの人は驚いて、瞳を丸くしていた。



刹那、一騎が頬を再び高揚させて、呟いた。









「でも、一つだけ約束してくれる・・・?」




殊勝な声が辺りに響き、僕の胸を高鳴らせた。




「なんだい・・?」





大人びた声が、空から降ってくるようだった。











「この場所から出たら・・・・
おれに逢いに来て!」







甲高い声が、月の光と交じり合う。
永遠がそこに形となって、現れるかのごとく。










「真っ先に・・・おれに逢いに来てね・・・?」









僕は、闇の中に突き落とされた感覚に陥った。










「あぁ、約束する・・・・逢いに行くから」









僕の犯した最初の罪。
それはあの人にとっての”光”を





愛してしまったこと。












「必ず、逢いに行くから。・・けれど、もし
この場所から出ることが叶わなかったら・・・」








求めてしまった、こと。










「そのときは・・・・一騎」










「・・・・・・うん?」








































「せめて僕は この闇の中で
君が輝ける場所を守りたい」








































それが、あの人と一騎が交わした












最後の言葉だった。
































僕は君から幸せを奪った男だ。








君があのとき、約束を交わした相手。















彼は君の初恋の人だった。

君を見ていれば、幼い僕でもそのくらいわかった。











一騎、・・・どうして君は僕を選んでしまったんだ。











どうして僕は、君を選んでしまったんだ・・・














悔やんでも 悔やみきれない



























ただ、愛してる。

























+++



















第一の保険として、僕は沢山の女性と付き合った。




友達のまま、一騎を一番近くで守れるようにと。
牽制のために置いた彼女たち。
多ければ多いほど良かった。


沢山居た方が、博愛主義だと主張し易かったからだ。
特定の誰かを愛することはない存在として
君の傍に居た方が、より安全な気がした。


自分自身、自制が利かなかったときを想定して
”気まぐれな人格”を装っていた。

もし僕が一騎に大幅な接触をしいたとしても、
それは遊びか気まぐれかーー”彼女”がいて、”博愛主義”の
あいつがそんな特別な感情を自分に持つわけがない。

そう考えさせるために、僕はずっと見えない保険をかけていた。


・・・・なのに。



一騎に彼女が出来てから、僕は少しずつ崩れていった。
上手くつけた仮面が、色褪せて、剥がれていく。


こんなにも想いが強く残るなんて思わなかったからだ。




好きだから大切にしようと思った。
なのに何故。

何故僕は君を苦しめる選択しか出来ないのだろう?



何故、わかっているのに・・悲劇が待つ先を歩んでしまうのだろう?






想いと身体は必ずしも一致しないのだろうと思った。
いや・・・本当は一致しているのに、理性でごまかしているだけかもしれない。





でなければ、僕は おそらく既に傷つけているだろう彼女たちを
無碍にしてまで こんな行動を取ったりしない。




第一の保険を無効にしてまで、君に触れてしまった何か。
これこそが、今までの僕を支えてきた 証なのだと今、・・確信した。















「っ・・・・、ん、っ、・・・・ふ、ぁーー・・・ッ」







竜宮学園の渡り廊下で、君と僕はキスしている。
最初は触れるだけ、と思っていた唇の感触が 
あまりに甘く、柔らかいものだったから・・・・


もっと、もっと、と心の奥で熱が疼いて仕方なかった。




知らぬ間に角度を変えて 何度もキスを仕掛けている自分が居た。




次第にキスは加速していく。
触れるだけでは足りず、深いところまで君を知りたい。
いつの間にか僕は、下唇を舌先でなぞると、微かに驚愕で開いた
一騎の口内に舌を強引に侵入させていた。


戸惑いながら、僕の舌に触れてくる一騎の赤くて熱い舌は 
全身の皮膚が泡立つほど 扇情的な艶を放っていた。



僕は堪らずその舌を、一騎を犯していく。




飢えた渇きを癒すように激しい衝動に駆られながら、僕は
確かに君を感じていた。確かにーーーー。





「ッ・・!!ふぁ、ッン・・・は、っ・・・ン、んっ」




一騎の身体に力が抜けていく。
僕は弱弱しく崩れそうになった一騎を左腕で支える。
華奢でくびれた一騎の腰に手を回し、抱きかかえるようにして一騎を包んだ。




されるがままになっている一騎。
つぶらな瞳はきつく閉じられ、キスに夢中になっている。
高揚した一騎の頬が愛おしくて、僕は右手を彼の頬に寄せた。


すると一騎の大きな瞳が薄っすらと開いた。



真正面から至近距離で眼差しがぶつかる。




口内では歯列をなぞり、激しく一騎の舌を絡めとりつつ、
ぴちゃ、ぴちゃと卑猥な音をたてる僕の舌が自由奔放に動き回っていた。






「っ、ン・・・・・・ふ、ッ、は、ぁ・・っ」




鼻に抜けた一騎の甘い声が漏れる。
微かに震えた肢体は 快感を彼に与え続けている証拠の様な気がした。
交わった視線が唐突に途切れ、一騎は瞳を静かに瞑った。


羞恥心がおそらく一騎をそうさせたのだろう。
だけど僕は そんな反応をする一騎が堪らなく愛しいから。
だからーーーーーーー・・。





自然と、渡り廊下の影に身を寄せて 壁に隠れる形をとった。
校舎が僕ら二人を世界から隠し、二人だけの空間を創ってくれる。

唇を漸く離せば、銀色の糸が僕らの間を繋げた。
そうして、濡れた一騎の唇が、紡いだ言葉は。






「総士・・・・・・・・・・・好き」









僕の目線よりもやや下に佇む君。
壁に背中を寄りかからせて、僕を見上げるように見つめる
綺麗な栗色の瞳が風に揺れる。





ドクンッ・・・・






玲瓏な光を帯び、瞬く間に僕を虜にしてしまう”麗しの君”。
甘い声とあどけない表情はまさに、白の王子に相応しい容姿だと思った。
昂ぶる気持ちと理性は反比例していく。


自制が利かない今。真実も贖罪も、何も僕には映らない。
ただ目の前に 愛しい人が僕を見つめて佇んでいる。
愛の言葉を囁いてくれている。


それだけが、全てだった。







妖艶な首筋に、息が弾む。
珠の肌に触れたくて、我慢が利かない。


多くの女性と付き合ったが、本当はキスひとつ交わしていなかった。




唇を重ねる間際までいっても、実際触れることはできなかったのだ。
未だ、嫌悪感が走るからだ。






嘗て、人ではない扱いを受けていた自分。
そんな自分が誰かを躊躇いなく受け入れることは容易いものではない。

一騎以外の人間を、心のどこかで信じきれていないのが本音だ。
ましてや、自分たち以外の人間はいらないとまで思っていた自分が
彼女たちに愛を注ぐことなど出来るはずもなくーーー・・。



残酷なまでに僕は彼女たちを弄んでいた。
彼女たちの純粋な心を。







「かず、き・・・・・」






好きだと、愛していると伝えたい。
いっそ、二人で何処か遠い場所まで逃げてしまおうかと告げたい。




傍にいたい。
彼を自分のものにしたい。






だけど






・・・・・だけ、ど・・・・・
















『せめて僕は この闇の中で
君が輝ける場所を守りたい』















あの人の言葉が、存在が






僕と一騎に境界線を造る。










”ファントム”の存在が









全ての感情を凌駕する。
僕の恋情を、戒める。












左目が・・・・痛んだ。




忘れるな、と僕に告げるように。
あの瞬間を思い出せと伝えるように。







駄目だ。





言っては、駄目だ。






まだ本当のことを告げてはいけない。






きっと、駄目になる。






僕ら・・・・互いに、駄目になる。










「一騎・・・・・、僕はーー・・っ」






痛切な胸の激情と共に 吐き出すのは
想いの欠片にも満たない言の葉。



自然と歪む、僕の表情に 君は驚いた顔すら見せず
静かに、そして小さく微笑んで言った。







「いいんだ総士・・・。何もいわないで?
おれは総士が好き。
・・・・それだけ伝えられれば、幸せだから・・・・・・」







”ね?”







柔らかい風のように僕を包む彼の眼差し。
一騎は僕の身体にその身をすり寄らせて 躊躇いがちに抱きつく。
僕の長い髪に顔を埋めると、ちゅっ、と音を立てて 僕の首筋に恭しくキスを落とした。






「総士・・・・・、おれ・・・総士の傍にいてもいいかな?」





ぽつり、と零した一騎の言の葉が、瞬く間に虚空に広がっていく。
それは時折 懐かしくも切ない夏の夕焼けを思い出させるほど鮮やかな
色彩となって 僕の胸に焼きついた。




「友達じゃないけど・・・・・親友じゃないけど・・・傍にいて、いいかな?」




特別な感情を抱きながらも、僕の傍にいたいと
願ってくれている君の声が夏風に一瞬攫われた気がした。

その美しい物静かな声が心に染入るように響き、波紋となって
僕の深層をかき乱した。




僕の腕は 無意識に、ずっと求めていた温もりへと絡みつく。
自分でも驚くほど自然に、君をきつく抱きしめていた。





泣いてしまいそうなほど、君は眩しく、
あの頃のままの体温で 君は・・僕の身体を優しく包み込んでいった。




今までとは違う感情。違う関係だけれど。
僕の傍にいたいと感じてくれる君がいる。



それだけで、どれだけ僕が幸せか・・・救われるか、君は知らない。
願って止まないその感情を 君も抱いてくれている事実が
どれだけ僕を感動させているか、君は気付かない。



一騎の気持ちに応えることが出来ない自分。
全てを曝け出して、僕も好きだと伝えられる日が来るとすれば、それは。






そのときは・・・・








僕らが互いに別れを選ぶ日だろう。









君はきっと、僕を受け入れることはない。
受け入れられるはずがないんだ。












「傍に・・・・・・いてくれ」











だって君は優しすぎるから。














「一騎が傍にいてくれないと・・・・僕は」





















だって僕は



















「呼吸すらままならない・・・」






































本物のファントムじゃないから。



























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青井聖梨です、こんにちは!!!
ここまで読んで下さってありがとうございました!!!
さて、如何だったでしょうか?あまり話が進んでないですかね?(笑)

今回は追憶も織り交ぜてみました。
片想いの総士。そして幼い日の一騎の初恋。
総士が初恋相手というのは何度も書いているので、このお話では避けました。
出来るだけ新しい形で話を展開させていきたかったので。

ついに総士が”あの人”と称していた人物の名前を書くことが出来ました。
惇(じゅん)くんです。このキャラもオリジナルキャラではありません。
ファフナー左右の設定資料集に載っている人物です。
宜しければ探して見て下さい。オリキャラは基本的に使うつもりはないので。


それでは次回も読んで下さることを願って!
乱筆失礼致しました!!!

青井聖梨 2007・7・26・